ゴルフ初心者のスコアは、実測データで平均122打・中央値120打です(GolfCounter、2026年8月時点の5,742ラウンド)。よく見かける「120〜160」という説明よりも、実際はもっと下側に寄っています。
そして、パー72のコースなら理論上限は144打です。ゴルフ規則21.2「最大スコア方式」でダブルパー(パーの2倍)を上限にすれば、それ以上は打数が増えないからです。
つまり「180打だった」という人は、腕前の問題ではなく、打ち切りルールを使っていない・OBを打ち直しで処理している・空振りの数え方が曖昧という3点のどれかに当てはまっています。本記事では、その原因を切り分け、その日のうちに144以下へ収める手順まで具体化します。
初心者スコアの現実は「120前後」。180は実力ではなく、ルールの使い方と数え方で発生する“上振れ”です。
結論:初心者はまず「上限144打」を先に決めてからラウンドする
ゴルフ初心者がまずやるべきことは、スタート前に「1ホールの上限=ダブルパー」を同伴者に宣言することです。これだけでパー72コースなら合計144打が上限になり、180は構造的に出なくなります。
練習でスコアを縮めるのは数か月かかりますが、上限を決めるのは1分で終わります。順序としては「上限を決める → 数え方を統一する → 実力を上げる」が正解です。
なぜ上限を決めるのが最優先なのか
上限設定は、練習量ゼロで即日効くスコア改善策だからです。
ゴルフ規則21.2「最大スコア方式」では、委員会が各ホールのスコア上限(パーの2倍など)を設定でき、上限に達したらそれ以上打数は加算されません。JGA『ゴルフ規則のオフィシャルガイド 2023年1月施行』によると、これはプレー進行(プレーファスト)対策として正式に認められた方式です。
初心者が1ホールで12打、15打と叩くのは、たいてい「同じバンカーから5回出ない」「OBを2回打つ」といった一点集中の崩れです。上限を決めれば、その1ホールの被害が7〜10打で止まります。
今日やることは3つだけ
初日から実行できる具体行動は、宣言・OB処理・記録の3点です。
- 上限宣言:1番ティで「1ホール上限はダブルパーで」と同伴者に伝える
- OB処理:OB・ロストは打ち直しに戻らず、2罰打で前方から再開する(モデルローカルルールE-5)
- 記録分離:スコアカードにパット数を別欄で記録する(後述の内訳分析に使う)
最大スコア方式もE-5も、公式競技では委員会の採用が前提です。仲間内のプライベートラウンドで使うぶんには問題ありませんが、競技会では必ず当日のローカルルールを確認してください。
ゴルフ 初心者 スコア 平均はいくつ?実測122・中央値120が答え

初心者のスコア平均は実測で122打、中央値は120打です。スコア記録アプリGolfCounterが公開する5,742ラウンド(2026年8月10日時点、記録を始めたばかりの初心者層が中心)の集計値で、ネット上の「120〜160」より現実的な数字です。
上位記事の「120〜160」は出典がない
広く出回る「120〜160」というレンジは、出典が示されないまま横流しされている数字です。
多くの解説記事が「男性120〜150、女性130〜160」とほぼ同一の数値を掲載していますが、どの調査に基づくのかは書かれていません。目安として間違いではないものの、自分のスコアを評価する物差しとしては粗すぎます。
実測データが示す達成率のリアル
同じGolfCounterの母集団では、達成率は次のとおりです。
- 120切り:47.5%
- 110切り:21.8%
- 100切り:6.3%
つまり、初心者層の約半数は120を切っています。逆に言えば、100切りは初心者層の16人に1人程度という難易度です。「まず120切り、次に110切り」という刻み方が現実的だと分かります。
「初心者だから150は普通」と思い込む必要はありません。実測の中央値は120。上限ルールと数え方を整えれば、初ラウンドから130台は十分に射程です。
初心者スコアを測る「4本の物差し」を比較する
スコアを正しく評価するには、通説・実測・制度・規則の4つの基準に自分の数字を当てるのが有効です。1つの目安だけでは、その120が良いのか悪いのか判断できません。
| 基準名 | 数値 | 根拠・出典 | この数字が意味すること | 自分の120はどう読むか |
|---|---|---|---|---|
| ①ネット通説 | 120〜160 | 出典なし(多数の解説記事が同一レンジを掲載) | 広く共有された感覚値 | 「レンジの下限」=良い方 |
| ②実測値 | 中央値120/平均122 | GolfCounter 5,742ラウンド(2026年8月) | 記録層のリアルな真ん中 | ちょうど平均的な位置 |
| ③制度の初心者ライン | 約126(HDCP上限54.0+パー72) | WHS/JGA・GDOニュース(2018年) | 制度が想定する初心者の上限側 | 制度基準では上位側 |
| ④規則上の理論上限 | 144打 | ゴルフ規則21.2 最大スコア方式(JGA、2023年) | ダブルパー打ち切り時の最大値 | 上限より24打も少ない |
| ⑤180が出る条件 | 145〜180+ | 打ち切り未適用+OB打ち直し+空振り処理の混乱 | ルール運用の問題 | 該当なし(適正運用) |
この表の要点は、144を超えるスコアはルール上「起こらないはずの数字」だということです。180は実力の指標ではなく、運用が抜けているサインとして読むべきです。
③の126は「パー72+ハンディキャップインデックス上限54.0」の単純換算です。実際のハンディキャップはコースレーティング・スロープレーティングを使って算出するため、コースによって前後します。
なぜゴルフ初心者のスコアは180になるのか?主な原因を深掘り
180が出る主因は実力不足ではなく「打ち切りをしない」「OBを打ち直しで処理する」「空振りの数え方が曖昧」の3つです。この3つを潰すだけで、同じスイングのまま30打前後が消えます。
原因1:ダブルパー打ち切りを使っていない(影響:−10〜30打)
最大の要因は、1ホールで青天井に打数を重ねることです。
パー4で12打、パー3で10打といったホールが3つあるだけで、上限運用時と比べて15打以上の差になります。バンカーから出ない、ラフから抜けない、グリーン周りで往復するといった崩れは、初心者なら必ず起きます。上限を決めていないラウンドは、崩れの被害がそのまま合計に乗ります。
原因2:OB・ロストを「打った場所に戻って打ち直し」で処理している(影響:−4〜10打)
OB処理の方法を変えるだけで、1回あたり2〜3打が変わります。
正式なストロークと距離の処置では、打った場所に戻って1罰打を加えて打ち直します。ティショットのOBなら3打目からのスタートです。一方、JGAのモデルローカルルールE-5「ストロークと距離の代替の救済」では、2罰打で前方の救済エリアから再開できます。ティショットOBなら4打目扱いですが、飛距離200ヤード分を稼いだ状態から打てます。
初心者はOBが1ラウンドで3〜5回出るため、この差が積み上がります。E-5は競技以外の一般ラウンド向けに、プレー進行のための措置として用意されたものです。
原因3:空振り・球の移動のカウントが曖昧(影響:申告ブレ±2〜5打)
数え方の不統一は、スコアの信頼性そのものを壊します。
空振りは「打つ意思をもってクラブを振った」時点で1打として数えます。一方、素振りでたまたま球に当たった場合や、アドレス後に球が自然に動いた場合の扱いは別ルール(規則9.4関連)です。ここが曖昧なまま進むと、多く数えすぎて180になったり、少なく数えて実態が分からなくなったりします。
「面倒だから多めに書いておく」は最悪の選択です。スコアが実力と乖離し、練習の優先順位を決める材料になりません。数え方は1番ティで擦り合わせておきましょう。
原因別の見分け方:あなたの180はどのタイプか
自分の原因を特定するには、スコアカードで「10打以上のホール数」「OBの回数」「パット数」の3つを数えるのが最短です。1分で判定できます。
判定チャート
次の順に確認してください。
- 10打以上のホールが3つ以上ある → 原因1(打ち切り未適用)が主因。上限宣言だけで大幅に改善します
- OBが4回以上ある/OB後に打ち直しへ戻った → 原因2(OB処理)が主因。E-5相当の前進2罰打に切り替えます
- パット数が45を超える → グリーン上が主因。総打数の3分の1以上をパットが占めています
- どれも該当しないのに150超 → 数え方(原因3)か、コース設定(後述)を疑います
スコアの内訳を分解すると打つ手が変わる
合計値だけを見ていても、どこを削るかは決まりません。
GolfCounterの実測では、初心者中心の母集団の平均パット数は1ラウンド42.3打です。アマチュア全体で見ると、ゴルフダイジェスト・オンラインの約12万人調査では36.22打とされています(stepgolf記事経由)。
120打のうち42打がパットなら、パットが3分の1以上を占める計算です。仮にパットを42打から36打へ6打減らせば、それだけで114打になります。ドライバーの飛距離より、グリーン上の6打の方が近道というのが数字の示す結論です。
見分け方の要点は「10打以上のホール数」「OB回数」「パット数」。この3つの数字で、次に手をつけるべき場所が確定します。
具体的な解決方法:自分のスコア上限を計算式で決める
解決の核心は、ラウンド前に自分の上限打数を計算で確定させておくことです。上限が決まっていれば、崩れても合計は一定の枠内に収まります。
(A) ダブルパー方式:上限=Σ(各ホールのパー×2)
最もシンプルな方法です。標準的なパー72コースなら144打になります。
| コースのパー | パー3 | パー4 | パー5 | 計算 | 上限打数 |
|---|---|---|---|---|---|
| パー72 | 4H | 10H | 4H | 24+80+40 | 144打 |
| パー71 | 4H | 11H | 3H | 24+88+30 | 142打 |
| パー70 | 4H | 12H | 2H | 24+96+20 | 140打 |
自分がプレーするコースのパー配分を、次の空欄に入れて計算してみてください。
| 項目 | ホール数 | ×パー×2 | 小計 |
|---|---|---|---|
| パー3 | ___H | ×6 | ___打 |
| パー4 | ___H | ×8 | ___打 |
| パー5 | ___H | ×10 | ___打 |
| 合計上限 | 18H | — | ___打 |
(B) ネットダブルボギー方式:ハンディキャップ査定の上限
ハンディキャップを持っている場合は、こちらが公式の上限です。
1ホールの上限=パー+2+そのホールで受けるハンディキャップストローク数(ネットダブルボギー)。JGAのハンディキャップ規則で定められた査定上のルールです。
- HDCP36の場合:全ホール+2ストローク → 上限=72+36(ダブルボギー分)+36=144打
- HDCP54の場合:全ホール+3ストローク → 上限=72+36+54=162打
WHSではハンディキャップインデックスの上限が男女とも54.0です(ゴルフダイジェスト・オンライン ニュース、2018年のWHS解説記事)。54.0が制度上の「初心者の端」にあたります。
(C) 逆算:目標120なら何ホールまでダブルボギーが許されるか
目標から逆算すると、許容できるミスの量が数値で見えます。
パー72で120を目指す場合、オーバーできるのは48打です。
- (120−72)÷2=24 → 「ダブルボギー24ホール分」に相当
- 実際は18ホールしかないため、18ホール全部ダブルボギー(=108打)でも、まだ12打の余裕がある
- この12打が、OB・池・3パットなどのペナルティ枠
つまり120切りは「全ホール・ダブルボギー+ミス12打まで」というゲームです。パーもボギーも1つも要りません。この認識に変えるだけで、無理な攻めが減ります。
120切りの正体は「全ホール+2、ペナルティ12打まで」。バーディーどころかパーすら不要という事実が、初心者のコースマネジメントを変えます。
180を144以下に落とす、当日15分のオペレーション
即効性がある実践手順は、ラウンド当日の準備15分で完結する7項目です。練習は不要で、削減幅の目安は合計で30打以上になります。
- 上限宣言(−10〜30打):1番ティで「1ホール上限=ダブルパー」を同伴者に宣言する(規則21.2 最大スコア方式)
- OB処理の統一(−4〜10打):OB・ロストは前方の救済エリアから2罰打で再開し、打ち直しに戻らない(モデルローカルルールE-5相当)
- 上限打数の事前記入:スコアカードの各ホール欄に、上限打数を鉛筆で薄く書いておく(数え間違い防止)
- カウント方法の擦り合わせ(申告ブレ±2〜5打を解消):空振り、アドレス後の球の移動、素振りでの接触の扱いを1番ティで確認する(規則9.4関連)
- パット数を別欄で記録:グリーン上の打数を分けて書く(実測42.3打の内訳を可視化するため)
- ハーフでの再設定:9ホール終了時に「上限に達したホール数」を数え、後半の目標打数を決め直す
- ラウンド後にスコア登録:J-sysへスコアを提出する(3枚で公式ハンディキャップ取得。2024年改訂で10〜17ホールのラウンドも登録可)
3の「上限打数の事前記入」は地味ですが効果的です。上限が目に入っていると、ボールを拾い上げる判断が早くなり、プレーファストにも直結します。
ゴルフ スコア 書き方 初心者が迷うポイントを解決
スコアの書き方の基本は、1ホールごとに「総打数」と「パット数」を分けて記録することです。合計だけを書くと、後から改善点を特定できません。
打数の数え方の基本ルール
打数は「球を打つ意思をもって行ったストローク」+「罰打」の合計です。
- 空振り:打つ意思があれば1打として数える
- 素振りで当たった:打つ意思がないため、原則ストロークにならない(球の位置は状況により処置が異なる)
- OB・ロスト:正式には1罰打+打ち直し。E-5適用時は2罰打で前進
- 池(ペナルティエリア):1罰打で所定の場所からドロップ
- アンプレヤブル:1罰打で規定の救済を受ける
スコアカードの書き方(初心者向けの実用形)
実用的なのは、1ホールにつき3つの数字を持つ書き方です。
| 記入欄 | 書く内容 | 例(パー4) |
|---|---|---|
| スコア欄 | そのホールの総打数(罰打込み) | 8 |
| パット欄 | グリーン上で打った数 | 3 |
| 備考(余白) | OB・池の回数を「O」「W」でメモ | O |
この3点があれば、ラウンド後に「グリーンまで5打・パット3打・OB1回」と分解できます。どこで打数を失ったかが、その日のうちに分かります。
スコア用語の対応表
用語は打数との関係だけ押さえれば十分です。
| 用語 | パーとの差 | パー3 | パー4 | パー5 |
|---|---|---|---|---|
| パー | ±0 | 3 | 4 | 5 |
| ボギー | +1 | 4 | 5 | 6 |
| ダブルボギー | +2 | 5 | 6 | 7 |
| トリプルボギー | +3 | 6 | 7 | 8 |
| ダブルパー(上限) | ×2 | 6 | 8 | 10 |
初心者が狙うのはダブルボギー(+2)。この表の「ダブルボギー」行の数字を1ホールの目標にすれば、合計108打のペースです。
ケース別の対処:同じ「120」でも条件で意味が変わる
スコアを比較するときは、ティ位置・ホール数・OB処置・コースの難易度という4条件をそろえる必要があります。条件が違えば、同じ120でも実質10打以上の差があります。
ケース1:前ティ(レディースティ・シニアティ)から回った
前方のティを使えば、距離が短くなる分だけスコアは下がります。
レギュラーティとフロントティでは、18ホール合計で1,000ヤード近い差が出るコースもあります。同じ120でも、前ティなら実力の評価は一段控えめに見るのが妥当です。恥じる必要は一切ありませんが、比較するときは条件を明示しましょう。
ケース2:ハーフ(9ホール)だけプレーした
9ホールのスコアを単純に2倍しても、正確な18ホール換算にはなりません。
ただし2024年1月のWHS一部改訂により、10〜17ホールしかプレーしなかったラウンドもハンディキャップ算入の対象になりました。JGA/WHSの2024年規則改訂によると、プレーしたホールの実績に、残りホールの予想スコアディファレンシャルを加えて18ホール換算されます。ハーフ+数ホールで切り上げがちな初心者ラウンドでも、公式スコアとして扱えるようになっています。
ケース3:コースの難易度が違う
同じ120でも、コースレーティングが高いコースの方が価値があります。
コースレーティング(スクラッチプレーヤーの基準打数)とスロープレーティング(ボギープレーヤーへの相対難易度)が、その差を数値化する仕組みです。ハンディキャップはこの2つを使って算出されるため、コースをまたいだ比較が可能になります。自分の120を客観指標に変換したいなら、ハンディキャップ取得が最短ルートです。
ケース4:OB処置が同伴者と違った
1人だけE-5相当の前進処置、他はストロークと距離の正式処置、という混在は比較を壊します。
スタート前に全員で処置を統一してください。処置が違うスコアを並べても、勝敗にも上達判定にも使えません。
SNSやアプリで他人のスコアと比べるときは、ティ位置とOB処置を確認しましょう。条件が違うスコアとの比較は、モチベーションを不必要に下げるだけです。
予防・再発防止:スコアを「制度に載せる」のがいちばん確実
再発防止の決定打は、公式ハンディキャップを取得してスコアを制度上の指標に変換することです。感覚的な「初心者だから」から抜け出せます。
公式ハンディキャップの取り方
必要なのは3枚のスコアだけです。
JGA 日本ゴルフ協会「ハンディキャップの取得方法」(2025年)によると、J-sysに会員登録した後、3枚以上のスコアが登録されるとハンディキャップインデックスが取得できます。スコアはプレーした当日に提出するのがルールです。
算出方式は、直近20スコアのうちベスト8スコアの平均です。つまり、たまたま崩れた1ラウンドは指標に大きく響きません。「一番悪い日」ではなく「良い日の平均」で評価される仕組みなので、初心者ほど登録するメリットがあります。
ハンディキャップがあると何が変わるか
ハンディキャップは、コースをまたいだ比較と、査定上限の適用を同時に実現します。
- 上限は男女とも54.0(WHS)。パー72換算で平均126前後が制度上の初心者ライン
- 1ホールの査定上限はネットダブルボギー。大叩きの1ホールが指標を壊さない
- コースレーティング・スロープレーティングで難易度差が補正される
練習の優先順位はデータで決める
練習配分は、内訳データに従うのが合理的です。
実測でパットが42.3打を占める以上、時間配分はパター・アプローチなど100ヤード以内を厚くするのが正解です。ドライバーの飛距離を10ヤード伸ばしても、削れるのはせいぜい数打。3パットを1ラウンド6回から2回に減らせば、それだけで4打です。
予防策は「3枚登録して数値化する」「内訳で練習を決める」の2点。感覚ではなくデータで判断すれば、上達の遠回りが減ります。
専門家・公的情報の見解
公的情報が示す初心者の位置づけは、ハンディキャップ上限54.0(パー72換算で約126)が制度上の初心者ラインというものです。ネット上の「120〜160」より明確な基準があります。
ワールドハンディキャップシステム(WHS)では、ハンディキャップインデックスの上限は男女とも54.0。ハンディキャップ査定上の1ホール最大スコアはネットダブルボギーで、取得には最少3ラウンド(54ホール)が必要。直近20スコア中ベスト8の平均で算出される。
— ゴルフダイジェスト・オンライン ニュース(WHS解説記事、2018年)
委員会は各ホールのスコア上限(パーの2倍=ダブルパー等)を設定でき、上限に達したらそれ以上打数は増えない。プレー進行(プレーファスト)対策として認められている。
— JGA『ゴルフ規則のオフィシャルガイド 2023年1月施行』規則21.2「最大スコア方式」
2026年の最新動向
規則面では、2026年1月1日施行の改訂があります。
The R&Aの発表(2026年1月「New and Updated Model Local Rules for 2026」)によると、R&AとUSGAが新規・改訂モデルローカルルールを公表し、球を動かしたことに気づかずにプレーした場合の扱い(規則9.4b関連、MLR E-14)などが追加されました。初心者が遭遇しやすい「気づかず球が動いていた」場面の処理が整理された形です。
なお、いわゆる「飛ばないボール」のボール規格変更は、プロ・エリート競技で2028年、一般ゴルファーは2030年からの施行と正式発表されています(ALBA Net、2026年8月、R&A・USGA発表報道)。初心者が今買うボールへの影響はありません。
ゴルフ人口とコストの現状
環境面の数字も押さえておくと判断しやすくなります。
公益財団法人日本生産性本部『レジャー白書2025』(2025年10月31日発行)によると、2024年のゴルフ人口は480万人で、前年の530万人から9.4%減となり500万人を割り込みました。練習場参加人口も450万人(前年510万人)です。余暇市場全体が75兆2,030億円(前年比5.6%増)と伸びるなかで、ゴルフ場はマイナス成長となっています。
コスト面では、プレー代のほかにゴルフ場利用税がかかります。東京都主税局および総務省の資料(2025年)によると、等級別に1級1,200円〜8級400円(標準税率800円、制限税率1,200円)。18歳未満または70歳以上、障害者、学校教育活動としての学生等は非課税です。
ゴルフ場利用税は自治体・コース等級で異なります。予約時の「諸経費」に含まれることが多いので、明細で確認しておくと想定外の出費を防げます。
やってはいけないNG対応
初心者がスコアを悪化させる典型は、「上限を決めない」「ドライバーばかり練習する」「スコアを盛る/諦める」の3つです。いずれも改善のループを止めてしまいます。
NG1:大叩きしたホールを「記念だから」と最後まで打ち切る
1ホールに15打かけるのは、スコアにも同伴者にも損失です。
上限に達したらボールを拾い上げましょう。プレーファストはマナーであると同時に、規則21.2が想定する目的そのものです。「全部打ち切るのが誠実」ではありません。
NG2:練習場でドライバーばかり打つ
削減効果が最も小さい部分に時間を使う配分ミスです。
実測でパットが42.3打を占めるのに、練習の大半をドライバーに使うのは合理的ではありません。100ヤード以内とパターに時間を寄せてください。
NG3:スコアを実際より良く書く/逆に記録をやめる
どちらも改善のためのデータを失う行為です。
盛れば練習の優先順位を誤り、記録をやめれば内訳が分かりません。悪い数字ほど記録する価値があります。ハンディキャップはベスト8の平均で算出されるため、悪い日を登録しても指標は大きく崩れません。
NG4:初ラウンドで14本すべてを使おうとする
クラブが多いほど迷いが増え、判断ミスが打数になります。
初ラウンドは、パター・ウェッジ・7番アイアン・ユーティリティ程度の4本前後に絞ると、ミスの種類が減ります。慣れてから本数を増やす方が上達は速くなります。
スコアを盛る行為は、ハンディキャップ制度では「不正確なスコア提出」にあたります。仲間内でも信頼を失うため、正直に記録しましょう。
まとめ:今日から取るべき行動
初心者のスコアは実測で平均122・中央値120。180が出るのは実力ではなく、ルール運用の問題です。次の3つを次回ラウンドで実行してください。
- 上限を決める:1番ティで「1ホール上限=ダブルパー」を宣言する(パー72なら合計144打が上限)
- 数え方をそろえる:OB処置と空振りのカウント方法を、スタート前に同伴者と統一する
- 記録して登録する:パット数を別欄で記録し、3枚たまったらJ-sysでハンディキャップを取得する
目標設定は「120切り(実測達成率47.5%)→ 110切り(21.8%)→ 100切り(6.3%)」の順が現実的です。まずは144を超えないラウンドを作ることから始めましょう。
よくある質問
ゴルフ初心者のスコアで180は普通ですか?
普通ではなく、ルール運用に原因があるサインです。ゴルフ規則21.2の最大スコア方式でダブルパー打ち切りを適用すれば、パー72コースの理論上限は144打です。180が出る場合は、打ち切り未適用・OBの打ち直し処理・空振りのカウント混乱のいずれかが起きています。実測(GolfCounter、5,742ラウンド)の中央値は120打です。
ゴルフ スコア 平均 初心者の目安は何打ですか?
実測データでは平均122打・中央値120打です(GolfCounter、2026年8月時点)。ネット上でよく見る「男性120〜150、女性130〜160」というレンジは出典が明示されていません。制度面では、WHSのハンディキャップインデックス上限54.0がパー72換算で約126打にあたり、これが制度上の初心者ラインの目安になります。
スコアの書き方で、空振りは1打に数えますか?
数えます。球を打つ意思をもってクラブを振った時点で1ストロークです。一方、素振りでたまたま球に当たった場合は打つ意思がないためストロークにはなりません(球の処置は状況により異なります)。判断が分かれやすいので、1番ティで同伴者と扱いを確認しておくと、スコアのブレを防げます。
100切りはどのくらい難しいですか?
初心者中心の母集団では達成率6.3%です(GolfCounter、5,742ラウンド)。120切りは47.5%、110切りは21.8%なので、100切りは一段階上の目標になります。まず120切り、次に110切りと段階を踏むのが現実的です。パット数を42打から36打前後へ減らすだけでも6打の短縮になります。
公式ハンディキャップはどうすれば取れますか?
J-sysに会員登録し、3枚以上のスコアを登録すれば取得できます(JGA、2025年)。必要なのは最少3ラウンド(54ホール)で、スコアはプレーした当日に提出します。2024年1月のWHS改訂により、10〜17ホールのみプレーしたラウンドも登録対象になったため、ハーフ中心の初心者でも取得しやすくなっています。




