ゴルフ ラウンド前 練習のやり方|残り時間45分・25分・10分別メニュー
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ゴルフ ラウンド前 練習のやり方|残り時間45分・25分・10分別メニュー

ゴルフのラウンド前練習は、上手くなるための時間ではなく「今日だけのズレ」を計測して潰す時間です。ズレとは①レンジボールとコースボールの飛距離差、②その日のグリーンの速さ、③まだ温まっていない自分の体温の3つ。この3つを測り終えたら練習は終了で、スイングを直そうとした瞬間に朝練は失敗します。

この記事では、受付からスタートまでの残り時間(45分/25分/10分)と施設(レンジ併設か否か)、そして今日が競技か私的ラウンドかの3軸で、朝のメニューを機械的に決める方法をお伝えします。競技参加者が知らないと2打罰〜失格になるゴルフ規則5.2、朝のレンジで判断してよいこと・いけないことの切り分け、そして前日練習の年間コストまで、他の記事があまり触れない部分を厚めに書きました。

ポイント

朝の練習の成功条件は「1番ホールで、今日の自分の球筋を一文で言えること」。ナイスショットの数ではありません。

結論:ラウンド前練習は「3つのズレを測る」だけでいい

ラウンド前練習の目的は、当日限定の3つのズレ(ボール・グリーン・体温)を計測して潰すことです。スイング修正は一切しません。この原則さえ守れば、残り時間が何分でも朝は成立します。

全体の流れは次の通りです。

  1. 受付・支払いを最速で終える(着替え含め10分以内を目標)
  2. 動的ストレッチで体温を上げる(3〜5分/これが1つ目のズレ潰し)
  3. 練習グリーンでスピードを測る(下り→上り→1m連続/2つ目のズレ潰し)
  4. アプローチ練習場で30y・50yの距離感を出す
  5. レンジで球筋と当たりの厚さだけ確認する(3つ目のズレ潰し)
  6. 1番ホールの番手を決めてティーへ向かう

順番は施設のレイアウトによって前後します。スポーツナビ掲載の甲田良美プロのレッスンでは「レンジ20分+アプローチ20分+パッティング20分」で、スタートホールから遠い練習場所から順に回る方法が紹介されています。移動のロスを消せるので、初めてのコースではまず練習施設の位置関係を確認しましょう。

注意

時間が足りないときに削る順番は「①レンジの球数 → ②アプローチ → ③パター」です。パターは最後まで削らないでください。グリーンの速さは当日その場でしか測れず、スコアへの跳ね返りが最も大きい項目だからです。

まとめ

ラウンド前練習=ボール・グリーン・体温の3ズレ計測。修正ではなく計測。削る順はレンジ→アプローチ→パター。

そもそもラウンド前の練習とは何をする時間?

そもそもラウンド前の練習とは何をする時間?

ラウンド前練習とは、その日の身体とコンディションを「確認」する時間であり、技術を向上させる時間ではありません。GOLFZONやゴルファボなど主要なゴルフメディアも、目的はウォーミングアップと球筋の確認だと共通して明記しています。

「練習」と「ウォームアップ」は別物です

練習は再現性を高める行為、ウォームアップは今日の身体を起こす行為です。朝に必要なのは後者だけです。

朝のレンジでスライスが出たとします。ここで「グリップを変えよう」「もっと内側から下ろそう」と直しにかかるのが最悪のパターンです。修正が効いていない状態のまま1番ティーに立つことになり、スイングが2つ(元のと直しかけの)混ざります。正しい対応は「今日はスライス。だから左を向いて打つ」と受け入れて、コースマネジメントの前提に組み込むことです。

球数は「打てるだけ打つ」ではありません

朝のレンジは1カゴ20〜30球で十分です。GOLFZONの記事でもゴルフ場併設レンジの1カゴは20〜30球程度とされ、これを全番手には配りません。

参考までに、tmga.tokyoなどが伝えるところではプロがトーナメントのスタート前に打つ球数は50〜100球程度です。1日中集中力を維持する必要があるプロですらこの範囲であり、週末ゴルファーが100球以上打つ意味はありません。18ホールで打つ球数がそもそも100打前後だと考えれば、朝に同じ量を打つのは前半9ホール分の体力を捨てているのと同じです。

需要回復で「レンジが空いていない」前提も必要です

日本ゴルフ場経営者協会(NGK)が2026年8月12日に発表した統計によると、2026年5月度の全国ゴルフ場総利用者数は9,040千人で前年同月比+5.5%でした。2025年度年間では87,498千人(前年度比-0.1%)とほぼ横ばいですが、直近は回復基調です。

一方、公益財団法人日本生産性本部『レジャー白書2025』(2025年)によると、2024年のゴルフ(コース)参加人口は480万人で前年比-9.4%、練習場参加人口は450万人で-11.8%と減少しています。人口は減っているのに利用者数は増えている——つまり1人あたりのラウンド回数が増え、朝の打席は取り合いになりやすいという読み方ができます。「打席が空いていない朝」を最初から想定に入れておきましょう。

補足

レンジがない、または満席のコースは珍しくありません。その場合でも後述のチャートで「アプローチ+パターのみ」のメニューに切り替えれば十分戦えます。

始める前の準備:何時に着き、何を持っていくか

到着はスタート60〜90分前が基準です。受付は30分前を目安とするコースが多く、逆算すると練習に使える時間は正味30〜50分になります。ここを見誤ると朝が丸ごと消えます。

到着時刻の目安と「実際に練習できる時間」

到着タイミング受付・着替え練習可能時間現実的なメニュー
90分前15分約45分フル(レンジ+アプローチ+パター)
60分前15分約25分短縮(アプローチ+パター中心)
40分前15分約10分パターのみ+素振り
30分前以下15分ほぼ0分素振り3回とストレッチだけ

ゴルフドゥやスポーツナビ(甲田良美プロLESSON)でも推奨到着時刻は60〜90分前とされています。ただし高速道路の渋滞、コース入口からクラブハウスまでの距離、season中の受付混雑を考えると、初訪問のコースは90分前着で組むのが安全です。

スループレーの増加で「60〜90分前」が崩れています

2026年シーズンも早朝スループレーの導入・拡大が各地で進んでいます。京都カントリークラブは2026年度の早朝スループレー営業開始を2026年3月19日に告知、千葉よみうりカントリークラブは2026年6月16日開始としています。

スループレーは受付からスタートまでが極端に短く、従来の「60〜90分前着で3種練習」が成立しないケースが増えています。早朝スループレーの予約を取った日は、最初から「10分メニュー」で組み立ててください。

持ち物は「計測に必要なもの」から詰めます

  • ボール6球以上(朝のロストを想定)
  • ティー・グリーンマーカー
  • グローブ(朝露で濡れるため予備推奨)
  • 水分+塩分(夏はWBGTの確認とセット)
  • 日焼け止め/防寒具(季節で入れ替え)
  • 小銭または現金(練習場のボール代が現金のみのコースあり)
ポイント

「小銭」は意外な落とし穴です。ゴルフ場併設レンジのボール販売機がキャッシュレス非対応で、両替に走って10分溶ける——朝の時間ロスとして実際によくあります。

手順を順番に詳しく解説:朝の練習メニュー自動判定チャート

朝のメニューは3つの質問で機械的に決まります。Q1で残り時間、Q2で施設、Q3で競技か否かを確定させれば、6パターンのいずれかに着地します。

3つの質問

  • Q1:受付完了からスタートまでの残り時間は? → 45分以上 / 25分前後 / 10分以下
  • Q2:施設は? → ドライビングレンジ併設 / アプローチ+練習グリーンのみ / 練習グリーンのみ
  • Q3:今日は競技(月例・クラブ競技)か、私的ラウンドか?

パターンA:45分以上 × レンジ併設 × 私的ラウンド

フルメニューです。時間配分は「動的ストレッチ5分/レンジ25球(15分)/アプローチ15分/パター10分」。

  1. 動的ストレッチ5分:肩回し20回、股関節の前後スイング左右10回、体幹の回旋20回。静的ストレッチ(伸ばして止める)は筋出力を落とすので朝は避けます。
  2. レンジ25球:番手順はSW→9I→7I→UT・FW→DR→PWで締め。最後をドライバーで終わらせないのが鉄則です。振り回した感覚のまま1番ティーに立つとリズムが速くなります。
  3. アプローチ15分:30ヤード×5球、50ヤード×5球、バンカー2球。
  4. パター10分:下り3m→上り3m→1m×5球連続。

パターンB:45分以上 × レンジ併設 × 競技

メニューはAと同じですが、練習してよい場所が規則で制限されます(詳細は次章)。時間があるぶん、1番ホールのティーグラウンドから見える景色を先に確認しに行く時間を5分取ると、スタートの緊張が減ります。

注意

競技日のコース上練習は原則禁止です。 R&A/JGAのゴルフ規則 規則5.2「ラウンド前やラウンド間にコースで練習する」(2023年)によると、ストロークプレーではプレーヤーは競技当日、ラウンド前にそのコース上で練習をしてはなりません。違反の罰は、最初の違反が一般の罰(ストロークプレーでは2打罰を最初のホールに適用)、その後の違反は失格です。ただし練習区域での練習、および最初のティーイングエリア付近でのパッティング・チッピングは例外として認められます。マッチプレーではラウンド前のコース上の練習が認められます。

パターンC:25分前後 × レンジ併設

削るのはレンジの球数からです。「ストレッチ3分/レンジ12球(7分)/アプローチ5分/パター10分」。

レンジ12球の内訳は、SW3球・9I3球・7I3球・DR3球。目的は「当たりの厚さとリズムの確認」だけなので、これで足ります。

パターンD:25分前後 × 練習グリーン+アプローチのみ

「ストレッチ5分/アプローチ8分/パター12分」。レンジがないぶん、スタート前の素振りでフルショットの感覚を作ります。重いヘッドカバーを付けたままドライバーを5回素振りすると、短時間で肩まわりが起きます。

パターンE:10分以下 × 施設不問

「ストレッチ3分/パター7分」。パター7分の中身は、下り3m×3球→上り3m×3球→1m×5球連続の1セットのみ。これだけでも「今日のグリーンは速い/遅い」の判断はできます。

パターンF:10分以下 × 競技

パターンEと同じですが、パットとチップは最初のティーイングエリア付近でも規則上OKです。フルショットの素振りはしても構いませんが、実際に球を打つのはコース上では不可という線引きを守ってください。

まとめ

Q1(時間)→Q2(施設)→Q3(競技)の順で決める。削る順はレンジ球数→アプローチ→パター。パターは何があっても7分は確保する。

朝のレンジで見えた飛距離を信じてはいけない理由

朝のレンジの飛距離表示は、実際のコースより約10%短く出ます。みんなのゴルフダイジェストなどの実測比較記事によると、同じヘッドスピード条件でレンジボールとコースボールには最大20.7ヤードの差、平均で約10%の飛距離ダウン(球種により-2〜-20ヤード)が確認されています。

つまり「今朝は7番で140ヤードだった」を根拠に番手を決めると、コースでは約155ヤード飛ぶことになり、グリーンを大きくオーバーします。

補正表:朝のレンジ飛距離を鵜呑みにしない

番手(A) 朝のレンジ表示キャリー(B) 補正係数(C) コース想定キャリー(A÷0.90)(D) 朝に判断してよいこと(E) 判断してはいけないこと
PW90y÷0.90約100y当たりの厚さキャリー確定
9I105y÷0.90約117y球の高さ番手決定
8I115y÷0.90約128y曲がり方向番手決定
7I125y÷0.90約139yリズムキャリー確定
6I135y÷0.90約150y曲がり方向番手決定
5I145y÷0.90約161y当たりの厚さキャリー確定
UT160y÷0.90約178y球の高さ番手決定
FW175y÷0.90約194y曲がり方向キャリー確定
DR200y÷0.90約222yリズム・曲がり方向絶対飛距離

※(A)は説明用の例です。ご自身の数値に置き換えてお使いください。

注記1:練習場の距離表示自体が、飛ばないボールに合わせて短めに設定されているケースがあります。この場合ボールと表示で二重にズレるため、朝の数字はさらに信用できません。

注記2:気温補正を(C)にさらに加減します。my caddieやGolf Laboなどの解説では、気温が3.6℃上がると飛距離は約1ヤード伸び、5℃と35℃の差では空気密度要因で約5ヤード、実感値では夏冬で10〜20ヤードの差が出るとされています。冬の朝は(C)からさらに1番手分引いて考えてください。

ポイント

朝のレンジで見るべきは「高さ・曲がり方向・当たりの厚さ・リズム」の4つだけ。距離は見ない。距離計とコースの表示を信じます。

つまずきやすいポイントと対処法

最も多い失敗は「朝にスイングを直そうとすること」です。次いで「打ちすぎ」「グリーンを測らずスタート」の3つで、朝の失敗のほぼすべてを占めます。

落とし穴1:朝のミスショットに引っ張られる

朝の1球目がダフっても、それはスイングの問題ではなく単に体が起きていないだけです。5球以内のミスは「データとして採用しない」と最初から決めておきましょう。判断は6球目以降の傾向で行います。

落とし穴2:全番手を打とうとする

14本すべてを打つと、1本あたり2球しか打てず、どの番手も感覚がつかめないまま終わります。SW・9I・7I・UT/FW・DRの5本に絞り、それぞれ4〜5球ずつ打つほうが情報量は多くなります。

落とし穴3:練習グリーンを測らずスタートする

これが最もスコアに響きます。GolfCounterが2026年8月17日に更新した実測データによると、5,849ラウンドの平均スコアは121.9、平均パット数は42.3、100切り達成率は6.3%(110切り22.2%、120切り47.6%)でした。

平均42.3パットということは、18ホールで2.35パット。ここには1mを外した3パットが相当数含まれています。朝の練習グリーンで1mを5球連続で入れておくだけで、この取りこぼしは減らせます。

練習グリーンの掲示板にスティンプ値が出ていることもあります。みんなのゴルフダイジェストの解説によると、スティンプメーターは長さ3フィート(91.44cm)のV字レールでボールを転がして測る器具で、数値が大きいほど速いグリーンです。数値が出ていれば「今日は速い」と事前に身構えられます。

落とし穴4:練習場所とスタートホールの往復で時間を失う

レンジ・アプローチ場・練習グリーンが離れているコースでは、往復だけで10分消えます。スタートホールから遠い場所→近い場所の順に回るだけで解決します。

注意

夏場は移動そのものが体力を削ります。次章の気温条件と合わせて、猛暑日は移動距離の長い練習を最初から切ってください。

注意点・リスク:競技の規則5.2と、夏場の体力配分

朝の練習で本当にダメージが大きいのは、競技での規則違反と、猛暑日の体力消耗の2つです。どちらもスコア以前の問題になります。

競技日:規則5.2の線引きを覚える

R&A/JGAのゴルフ規則 規則5.2(2023年)の内容を、朝の行動に翻訳すると次の通りです。

行動ストロークプレー競技当日私的ラウンド
練習場(レンジ)で打つ○ 認められる
練習グリーンでパット○ 認められる
最初のティーイングエリア付近でパット・チップ○ 認められる
コース上のフェアウェイで球を打つ✗ 違反○(コース規定による)
コース上のグリーンでパット✗ 違反○(コース規定による)

違反の罰は最初が一般の罰(ストロークプレーでは2打罰を最初のホールに適用)、その後の違反は失格です。

なお、日本ゴルフ協会(JGA)『ゴルフ規則のオフィシャルガイド 2023年1月施行』によると、委員会は規則5.2の制限をローカルルールで緩和・厳格化できます。競技の日は必ずローカルルールの掲示を確認してください。マッチプレーではラウンド前のコース上の練習が認められる点も、混同しやすいので押さえておきましょう。

R&A/JGA ゴルフ規則 規則5.2「ラウンド前やラウンド間にコースで練習する」(2023年):ストロークプレーでは、プレーヤーは競技当日、ラウンド前にそのコース上で練習をしてはならない。

猛暑日:朝の練習を削って体力を残す

夏は朝練の優先度を下げます。日本スポーツ協会の熱中症予防運動指針(スポーツ審議会健康スポーツ部会 第33回資料、2025年)では、WBGT31℃以上で「運動は原則中止」、28〜31℃で「厳重警戒(激しい運動は中止)」とされています。

環境省の熱中症環境保健マニュアル(2025年)でも、暑くなり始めの7月下旬〜8月上旬に熱中症の発生が多い傾向が示されています。この時期の朝は、レンジで25球打つより日陰で水分を取るほうがスコアに貢献します。

夏の朝メニュー(WBGT28℃以上想定)

  1. 日陰で動的ストレッチ3分
  2. 練習グリーンで7分(下り・上り・1m連続)
  3. レンジは省略、素振り5回のみ
  4. 残り時間はクラブハウスで水分・塩分補給

冬の朝メニュー(気温10℃以下想定)

  1. 動的ストレッチを倍の8〜10分に延長
  2. レンジはSWのハーフショットから始め、球数より時間をかける
  3. 飛距離は補正表の(C)からさらに1番手分マイナスで想定
注意

夏場は「練習しない」が正解になる日があります。WBGTはスタート前にスマートフォンで確認できます(環境省 熱中症予防情報サイト)。数値が高い日は、朝の練習を削る判断をためらわないでください。

ゴルフのラウンド前日練習はするべき?しないべき?

前日練習は「やらない、またはアプローチ・パターだけ」が正解です。打ち込むと疲労が翌日に残り、新しいことを試すと当日にスイングが崩れます。上位のゴルフメディアも共通してこの見解です。

ここに、他ではあまり語られない「金額」という軸を足します。

前日練習+当日練習の年間コスト試算

前提となる相場は次の通りです。楽天GORAやgolf-medleyの料金相場記事によると、練習場の打席料(入場料)は300〜500円(都市部300〜600円、地方0〜300円)、ボール単価は都市部1球8〜25円、地方1球5〜12円で、1回の練習は2,000〜3,000円が目安とされています。

計算式(打席料400円・ボール1球12円で試算)

  • 前日練習費=400円 + 100球 × 12円 = 1,600円
  • 当日レンジ費=1カゴ25球で500〜800円 → 中央値 650円
  • アプローチ・パター練習 = 0円
  • 年間追加コスト =(1,600+650)× 年間ラウンド数 = 2,250円 × R
年間ラウンド数前日練習+当日レンジの年間コスト前日練習を中止した場合削減額
年12ラウンド27,000円7,800円▲19,200円
年24ラウンド54,000円15,600円▲38,400円
年36ラウンド81,000円23,400円▲57,600円

振替プラン:浮いた費用を何に使うか

年24ラウンドの方が前日練習を中止し、代わりに当日のパター練習を15分延長した場合、年間38,400円が浮きます。この金額は、レッスン数回分、あるいはレーザー距離計1台分に相当します。

前日に100球打って翌日に疲労を残すより、38,400円を距離計に変えて毎ラウンド正確な残り距離を得るほうが、スコアへのリターンは明確に大きくなります。「前日は打たない」という定説は、疲労という体力軸だけでなく、費用対効果の軸でも裏付けられるわけです。

ポイント

前日にどうしても触りたい場合は、室内でパターマット10分とアプローチの素振りだけ。費用0円、疲労0、翌日への悪影響もありません。

まとめ

前日練習は「疲れる・崩れる・お金がかかる」の三重苦。年24ラウンドなら中止するだけで年38,400円が浮く。

具体例・ケーススタディ:3人の朝を分単位で再現

同じ「ラウンド前練習」でも、条件が変われば正解は完全に変わります。ここでは3つの典型ケースを分単位で示します。

ケース1:Aさん(平均スコア115・私的ラウンド・90分前着・レンジ併設)

時刻行動
7:00到着・受付・着替え
7:15動的ストレッチ5分
7:20レンジ25球(SW→9I→7I→UT→DR→PWで締め)15分
7:35アプローチ15分(30y×5、50y×5、バンカー2)
7:50練習グリーン10分(下り3m→上り3m→1m×5連続)
8:001番ティーへ移動・素振り3回
8:30スタート

Aさんの朝の成果:「今日はやや高めのフェード。7番の想定キャリーは139y。グリーンは速め。1番はUTで刻む」——この4文が言えたら朝は成功です。

ケース2:Bさん(渋滞で30分前着・私的ラウンド)

時刻行動
8:00到着(スタート30分前)・受付を最優先
8:12着替え完了・練習グリーンへ直行
8:13動的ストレッチ3分(グリーン脇で)
8:16パター7分(下り3球→上り3球→1m×5連続)
8:231番ティーへ移動・重いクラブで素振り5回
8:30スタート

判断の要点:レンジには行きません。10分しかないならレンジに行く移動時間そのものが損失です。パターとストレッチだけに全振りします。

ケース3:Cさん(月例競技・60分前着・レンジ併設)

時刻行動
7:30到着・受付+ローカルルール掲示を確認(3分)
7:45動的ストレッチ3分
7:48レンジ12球(SW3・9I3・7I3・DR3)7分
7:55アプローチ練習場5分
8:00練習グリーン12分
8:121番ティー付近でパット・チップのみ(規則5.2の例外範囲内)
8:30スタート

Cさんが避けたリスク:もしCさんが1番ホールのフェアウェイで1球打っていたら、規則5.2違反で最初のホールに2打罰が付き、繰り返せば失格でした。競技日は「打っていい場所」を先に確認するのが最大のリスク管理です。

スタート10分前・12項目チェックリスト

最後に、ティーへ向かう直前の確認リストです。印刷またはスクリーンショットで持ち歩ける形にしてあります。各項目には「できていない場合に起きるミス」を併記しました。

計測系6項目

#項目できていないと起きること
練習グリーンの掲示スティンプ値を見た序盤3ホールを距離感の探り合いで消費
下り3mを2球打った下りのファーストパットが大きくオーバー
上り3mを2球打った上りでショートし2mが残る
1mを5球連続で入れた1mの外しで1ラウンド平均3打前後をロス(平均パット42.3の内訳から逆算)
今日の球筋を一文で言語化した(例:今日はやや低いドロー)曲がり幅を毎ホール推測することになる
1番ホールのティーショットの番手を決めたティーで迷い、リズムが崩れて曲がる

装備系6項目

#項目できていないと起きること
ボール6球以上・ティー・マーカー池の多いコースで球切れ・同伴者を待たせる
グローブ(朝露対策で予備も)濡れて滑り、握力で握って手首を痛める
水分・塩分(夏はWBGT確認込み)後半9ホールで判断力が落ち、熱中症リスク
日焼け止め/防寒具夏は消耗、冬は可動域が狭まって飛ばない
トイレ前半のホールで集中が切れる
スパイク締め直し+素振り3回でリズムカウント下半身が緩み、1打目でトップやダフリ
ポイント

⑤の言語化が最重要です。「今日はやや高いフェード」と口に出せた日は、コースで迷いません。逆に言えなければ、朝の練習は情報を何も持ち帰れていないということです。

よくある質問

ゴルフのラウンド前に練習しないのはダメですか?

ダメではありません。ただしストレッチと1mのパットだけは必ずやってください。ボールを打つ練習(レンジ)はスキップしても大きな問題は起きませんが、体温が上がらないまま1番ティーに立つとケガのリスクが上がり、グリーンの速さを知らないまま最初のパットを打つと序盤で確実に打数を落とします。3分のストレッチと1m×5球、合計5分でリスクの大半は消せます。

ゴルフのラウンド前日練習はしないほうがいいですか?

しないほうが良い、というのが基本です。打ち込むと疲労が翌日に残り、新しいスイングを試すと当日に崩れます。費用面でも、打席料400円+100球1,200円で1回1,600円、年24ラウンドなら前日練習だけで年38,400円(当日レンジ含む差額)が消えます。どうしても触りたい場合は、室内でパターマット10分とアプローチの素振りのみに留めてください。

ゴルフ場の練習場(レンジ)はラウンド前に必ず使うべきですか?

必須ではありません。時間が25分を切ったら使わないほうが得です。レンジへの移動・カゴの購入・打席待ちで実質10分は消えます。その10分を練習グリーンに回したほうがスコアへの効果は大きくなります。使う場合も1カゴ20〜30球に絞り、SW・9I・7I・UT/FW・DRの5本だけにしてください。

競技(月例)の日にコースで練習すると罰はありますか?

あります。ストロークプレーでは最初の違反が一般の罰(2打罰を最初のホールに適用)、その後の違反は失格です。R&A/JGAのゴルフ規則 規則5.2(2023年)によると、競技当日にそのコース上で練習することは認められません。ただし練習区域での練習、最初のティーイングエリア付近でのパッティング・チッピングは例外としてOKです。マッチプレーではコース上の練習が認められます。委員会がローカルルールで緩和・厳格化する場合もあるため、当日の掲示を必ず確認してください。

朝のレンジで7番が140ヤードでした。コースでも140ヤードで打っていいですか?

いけません。約155ヤード飛ぶ想定で番手を選んでください。レンジボールはコースボールより平均で約10%飛距離が落ち、実測では最大20.7ヤードの差が確認されています。朝のレンジで判断してよいのは球の高さ・曲がり方向・当たりの厚さ・リズムの4つだけで、絶対飛距離とキャリーの確定はしてはいけません。さらに気温が3.6℃違うと約1ヤード差が出るため、冬はもう1番手分の余裕を見てください。

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ラウンド前の練習は、ボール・グリーン・体温の3つのズレを測るだけの時間です。時間が45分あればフルメニュー、25分ならレンジを削り、10分ならパターとストレッチだけ。競技の日は規則5.2の線引きを確認し、猛暑日は練習より体力温存を選ぶ。前日練習は疲労と費用の両面からおすすめしません。

次のラウンドでは、1番ティーに立つ前に「今日は◯◯(球筋)、グリーンは◯◯(速さ)」と一文で言えるかどうかを試してみてください。それが言えた日は、朝の30分がスコアに変わります。

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