結論:ラフからの打ち方は「沈み度→距離→芝目」の順で決める
- Aライ:球の上半分以上が見える(芝に浮いている状態)
- Bライ:球の1/3〜半分だけ見える(半分沈んでいる)
- Cライ:真上からのぞき込まないと見えない(ほぼ埋没)
- ボールは中央〜右足寄りに置き、ハンドファーストで上から入れる
- すくい上げない(ロフトに任せる)
- グリップは普段より強め、フィニッシュまで減速せず振り抜く
- 打つ前に球の近く(球に触れない場所)で素振りし、芝の抵抗を確かめる
素振りのときに球のすぐ後ろの芝を倒すと、ライの改善とみなされる可能性があります。素振りは球から少し離れた同じような芝で行ってください。
沈み度の判定は「しゃがまずに真上から見る」
判定のあとに残り距離と芝目を見る
なぜラフで大叩きするのか?主な原因を深掘り

原因1:芝の抵抗量を過小評価している
フェアウェイ10ミリ、ファーストカット25ミリ、ラフ100〜150ミリ — e!Golf(2025年)が伝える日本オープンのコースセッティング水準
原因2:フライヤーを計算に入れていない
原因3:季節と芝種を無視している
原因4:ルールを知らずに罰打を重ねている
原因別の見分け方|ラフ30秒判定チャート
Q1〜Q4のチェック手順
- Q1|球はどれだけ沈んでいるか:A=上半分以上見える/B=1/3〜半分だけ見える/C=上からのぞかないと見えない
- Q2|残り距離はどれくらいか:150ヤード超/100〜150ヤード/100ヤード未満
- Q3|芝の向きと足場はどうか:葉先が目標方向=順目/手前向き=逆目。加えて左足下がり・つま先上がりなどの傾斜
- Q4|このコースはE-5や前進4打を採用しているか:スタート前にマスター室で確認しておく
出口は4つだけ
| 出口 | 該当する条件 | なぜそうするか |
|---|---|---|
| ①グリーンを狙う | Aライ×順目 | 抵抗が最小でフェースが入る。ただしフライヤー想定で1番手下げる |
| ②レイアップ(刻む) | Aライ×逆目/Bライ×残り150ヤード超 | 距離を出そうとするとヘッドが負けて左に巻く確率が上がる |
| ③脱出専念(真横でも可) | Bライ×逆目/Cライ×残り100ヤード未満 | 出す確率をほぼ100%にできる方向を選ぶほうが、期待打数が小さい |
| ④規則19.2cで1罰打の救済 | Cライかつ足場が悪い/Cライで既に1回失敗している | 埋没ライで2回続けて失敗するより、1罰打でライを買い直すほうが安い |
出口④は「打てないほど埋まっている」「スタンスが取れない」ときの選択肢です。ラフに入るたびに使うものではありません。アンプレヤブルの宣言はプレーヤー自身が判断できますが、必ず1罰打が付きます。
迷ったときの優先順位
具体的な解決方法|沈み度×芝種・季節×クラブ早見表
沈み度別クラブ・フェース・ボール位置の早見表
| 項目 | Aライ(上半分見える) | Bライ(1/3〜半分) | Cライ(ほぼ埋没) |
|---|---|---|---|
| 推奨クラブ|高麗・野芝の夏(25〜30℃で抵抗最大) | 7〜9番、UT可 | 8番〜PW | PW〜SW |
| 推奨クラブ|高麗・野芝の冬(休眠期・抵抗小) | 5〜7番、FWも可 | 7〜9番 | 9番〜PW |
| 推奨クラブ|洋芝ラフ(水分を含み抵抗大) | 8番〜PW | 9番〜PW | SW |
| フェースの向き | スクエア〜やや被せる | 被せる(ロフトを立てる) | 開く(刃を潜らせて抜く) |
| ボール位置 | 中央 | 右足寄り1個分 | 右足内側 |
| 飛距離補正 | フライヤーで+10〜20ヤード想定→1番手下げる | 通常より-10〜20% | 距離は計算せず前進量のみ想定 |
| 現実的な狙い所 | グリーンセンター | グリーン手前の花道/レイアップ地点 | フェアウェイの最短復帰点(真横可) |
Cライでフェースを開く理由
「ゴルフ ラフでの打ち方」を1本のクラブに絞る考え方
ケース別の対処|深いラフ・夏のラフ・傾斜の複合ライ
ゴルフの深いラフでの打ち方は「出す」だけを考える
- 球の真上から沈み度を確認し、Cライだと確定させる
- ピン方向ではなく「最も芝が薄い方向」を探す(真横・斜め後ろでも可)
- PWまたはSWを選び、フェースを開いて右足内側にセット
- グリップを短く持ち、下半身を止めて上下動を抑える
- コックを早めに使って鋭角に入れ、フィニッシュまで緩めず振り抜く
ゴルフの夏のラフの打ち方は抵抗MAX前提で組み立てる
- 早見表の「夏」の行を使い、通常より1〜2番手短いクラブを選ぶ
- Aライでもフライヤーを強めに見積もる(+10〜20ヤード)
- 朝露や夕立のあとは、水分でさらに抵抗が増すため一段階深いライとして扱う
傾斜と沈み度が重なったとき
| 傾斜 | 起きやすいミス | 対処 |
|---|---|---|
| つま先上がり | 左に引っかかる | 短く持ち、目標を右に取る |
| つま先下がり | ダフり・右へのすっぽ抜け | 膝を深く曲げ、距離を1番手落とす |
| 左足上がり | 高く上がって飛ばない | 1〜2番手上げるが、Cライなら脱出優先 |
| 左足下がり | トップ・チョロ | ボールを右に置き、上げようとしない |
左足下がり×Cライは、アマチュアにとって最も成功率が低い組み合わせです。この条件が揃ったら、規則19.2の救済(1罰打)を真剣に検討してください。無理に2回失敗すると、罰打1つより確実に高くつきます。
打つか捨てるか?期待打数で損得を計算する
前提条件
3つの選択肢の期待打数
- 成功(確率p1=0.3):60ヤード前進してフェアウェイ → そこからの平均ホールアウト2.8打
- 失敗(確率0.7):20ヤード前進してラフのまま → そこからの平均3.6打
- 期待総打数 = 2 + [0.3×2.8 + 0.7×3.6] = 2 + 3.36 = 5.36打
- 残り148ヤード、Bライ相当 → そこからの平均3.0打
- 期待総打数 = 2 + 1(罰打)+ 3.0 = 6.00打
- 成功率ほぼ100%で残り150ヤード・良ライ → そこからの平均2.8打
- 期待総打数 = 2 + 1(1打使う)+ 2.8 = 5.80打
損益分岐点を解く
- 選択3(5.80打)を上回るのは、5.6 − 0.8p > 5.80 → p < −0.25 = 通常は起こらない
- 選択2(6.00打)を上回るのは、5.6 − 0.8p > 6.00 → p < −0.5 = 起こらない
自分の数字で計算するワークシート
| 項目 | あなたの数字 |
|---|---|
| Cライからの脱出成功率 p | ____ % |
| 成功時の残り距離とそこからの平均打数 | ____ヤード/____打 |
| 失敗時の残り距離とそこからの平均打数 | ____ヤード/____打 |
| 打つ場合の期待打数 = 2 + p×成功時 + (1−p)×失敗時 | ____打 |
| 出すだけの場合の期待打数 = 2 + 1 + 良ライからの平均 | ____打 |
ここで使った「フェアウェイ150ヤードから2.8打」などの数値は、読者が自分の実績で置き換えるための仮定値です。実際の平均打数は腕前によって変わるため、スコアカードから自分の値を作るほうが精度が上がります。
専門家・公的情報の見解|ラフで効くゴルフ規則
ルースインペディメントを動かすと1罰打になる場面(規則15.1b)
球の捜索時間は3分(規則18.2)
アンプレヤブルは3つの救済から選ぶ(規則19.2)
- ストロークと距離(19.2a):前の打点に戻って打ち直す
- 後方線上(19.2b):ホールと球を結んだ線の後方にドロップ
- ラテラル救済(19.2c):球の箇所から2クラブレングス以内、ホールに近づかない範囲にドロップ
アンプレヤブルはプレーヤーが自分で判断できますが、必ず1罰打が付きます。「無罰でライを良くする」手段ではありません。
模範ローカルルールE-5(採用コースのみ)
やってはいけないNG対応
NG1:すくい上げようとする
NG2:Cライで距離を欲張る
NG3:フライヤーを無視してピンを狙う
NG4:インパクトで緩める
NG5:球の後ろの芝を素振りで倒す
NG6:3分を超えて探し続ける
予防・再発防止のコツ|ラフに入る前後の習慣
ラウンド前にやる3つの準備
- マスター室でローカルルールを確認する:E-5や前進4打の有無を聞く(規則の選択肢が1つ増えます)
- 練習グリーン脇のラフで球を落として沈み度を見る:その日のコースのA/B/Cの基準が体感で分かります
- 前日〜当日の天候を確認する:雨のあとは同じ刈高でも抵抗が増します。2024年日本オープンのラフが想定を超えたのも、直前の長雨が原因でした(みんなのゴルフダイジェスト 2024年10月)
ラウンド中の習慣
- ティショットの落下地点を、必ず目標物(木・バンカー・杭)と紐づけて覚える
- 探す前に「ここから3分」と口に出して同伴者と共有する
- ラフに入ったら、まず真上から沈み度を判定する(クラブを抜くのはその後)
ラウンド後に記録する
将来の飛距離環境も変わります。ALBA Netの報道によると、R&AとUSGAは飛距離を抑えるボール規格を正式発表し、競技レベルは2028年、一般ゴルファーは2030年から施行予定です。ラフに入れたときの残り距離は、今より長くなる方向に進みます。だからこそ「刻む・出す」の判断力の価値は上がります。




