- 救済でドロップした球が、また池に入った → 規則17.2。経路によっては合計2罰打になる
- 池に入ったと言い切れない → 規則17.1cで紛失球扱い。しかも「事実上確実」なら暫定球は打てない(規則18.3)
- エリア内の排水口・くい込み・打てないライ → 規則17.3で無罰救済もアンプレヤブルも一切なし
ペナルティエリアとは何か|ゴルフ ルール上の定義と罰打
- 池・川に限らない:委員会が指定すれば、林・ブッシュ・崖・砂漠などもペナルティエリアになります
- 色は2種類:黄(イエロー)は救済2つ、赤(レッド)は救済3つ。杭または線で標示されます
- 中でソールできる:2019年以降、エリア内でクラブを地面に接地してよく、ルースインペディメント(枯れ葉・小石)も無罰で除去できます
判定チャート|球が池方向へ飛んだ瞬間から次の一打まで

委員会がローカルルールひな型E-5(2罰打で前進する紛失球・OBの代替処置)を採用しているコースでも、球がペナルティエリアに止まったことが分かっている/事実上確実な場合はE-5を使えません(R&A『委員会の措置』セクション8)。判断の順序は「E-5は使えますか?」ではなく、まず「入ったことが確実か?」です。確実なら規則17.1dの1罰打救済、確実でなければ紛失球となり、そこで初めてE-5採用の有無が効いてきます。E-5はストロークと距離の罰に基づく暫定球をすでにプレーした場合にも、元の球には使えません。
1罰打で使える救済3つ+αの実利比較表
| 処置 | (a)規則番号 | (b)使える色 | (c)基点の決め方 | (d)ドロップ手順 | (e)罰打 | (f)モデルホールでの残り距離/打数 | (g)ライの質 | (h)選ぶべき状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ①そのまま打つ | 17.1b | 黄・赤 | ― | ドロップなし | 0 | 球の位置から/3打目 | 水際・傾斜のリスク大 | 足場があり振り切れる時だけ |
| ②ストロークと距離 | 17.1d(1) | 黄・赤 | 直前に打った地点 | 前打地点の1クラブレングス内にドロップ(膝の高さ) | 1 | 残り170y/4打目 | 前打地点なので既知 | 基点Xが特定できない/後方が崖やOB |
| ③後方線上 | 17.1d(2) | 黄・赤 | ホールとXを結ぶ線の後方(延長距離は無制限) | 2023年式:線上に球をドロップし、着地点から全方向1クラブレングスが救済エリア | 1 | 残り155〜170y前後/4打目(下がる距離を自分で選べる) | 選べる。花道・平坦地を狙える | 得意な距離を残したい時(最も再現性が高い) |
| ④ラテラル | 17.1d(3) | 赤のみ | X | Xから2クラブレングス以内・ホールに近づかない | 1 | 残り約148〜150y/4打目 | 選べない。池際のラフ・傾斜を引きやすい | 落下範囲を実際に見てライが良い時 |
| ⑤前進4打・特設ティ(参考) | ローカルルール(規則外) | 掲示のあるホールのみ | 特設ティ | ティイングエリア内 | 実質2罰打 | 特設ティから4打目 | ティアップ可 | 主にOB対策。池には流用しない |
1クラブレングスの実寸
ゴルフ新ルールのペナルティエリア救済|2023年に変わった後方線上の手順
| 2019年規則(旧) | 2023年規則(現行) | |
|---|---|---|
| 手順 | 基準線上に基点を決めてから、そこから1クラブレングス以内でホールに近づかない救済エリアにドロップ | 基準線上に球をドロップし、そのドロップした球が最初に地面に触れた箇所からどの方向にも1クラブレングスが救済エリア |
| 事前のマーク | 基点をマークする必要があった | 不要。線上に落とせばよい |
| 救済エリアの形 | ホールに近づかない半円 | 着地点を中心とした全方向1クラブレングス |
| 動作の順番 | 点を決める → 測る → 落とす | 落とす → そこが中心になる |
- ホールと基点X(球が最後に縁を横切った推定地点)を結び、その線を後方に延長する(延長距離に上限はない=いくらでも下がれる)
- 打ちやすい距離・ライになる位置を選び、その線上に膝の高さから球をドロップする(規則14.3b)
- 球が最初に地面に触れた箇所を中心に、全方向1クラブレングスが救済エリア
- その中に止まればプレー。出たら再ドロップ。2回目も出たら、2回目に球が最初に地面へ触れた箇所にプレース
2019年の改正で、レッドペナルティエリアの「対岸の等距離点へのドロップ」は廃止済みです。ローカルルールで別途認められていない限り使えません。古い動画・書籍にはまだ載っています。
例外分岐①:救済した球がまた池に入った(規則17.2・最大2罰打)
- ドロップした球をそのまま打つなら、追加の罰はありません(既に払った1罰打のみ)
- 打たずにさらに救済を受ける場合、それぞれ1罰打ずつの選択肢があります
- とくに、ストロークと距離の救済でドロップした球がペナルティエリア内に止まり、それをプレーしない場合、ペナルティエリア外への救済にはさらに1罰打が加わり、合計2罰打となります
例外分岐②:入ったと言い切れない時(規則17.1c+暫定球が打てない規則18.3)
| 状況 | 判定 | 使える処置 | 暫定球 |
|---|---|---|---|
| 全員が水しぶきを見た/落ちる音を聞いた | 事実上確実 | 規則17.1dの救済(黄2択/赤3択) | 打てない(規則18.3) |
| 弾道がエリアへ向かい、周囲に球が隠れる場所がない | 事実上確実 | 同上 | 打てない |
| エリア手前に深いラフ・ブッシュがあり、そこで止まった可能性もある | 確実でない | 3分捜索 → 見つからなければ規則18.2 | 打てる(打つべき) |
| エリアの先にOB・林があり、抜けた可能性がある | 確実でない | 同上 | 打てる(打つべき) |
- 入ったのが事実上確実か? → YES:暫定球を打たず、Xへ向かって規則17で処置
- 確実でないか? → その場で暫定球を宣言して打つ。歩いてから戻る往復とスロープレーを防げる
例外分岐③:エリア内では他の救済が一切ない(規則17.3)
| 状況 | エリア外なら | エリア内では |
|---|---|---|
| 排水口・排水溝の上に止まった | 無罰の救済(規則16.1) | ❌ 使えない |
| カジュアルウォーター(一時的な水)にある | 無罰の救済(規則16.1) | ❌ 使えない |
| 修理地に入った | 無罰の救済(規則16.1) | ❌ 使えない |
| 地面にくい込んだ | 無罰の救済(規則16.3) | ❌ 使えない |
| 橋の上・人工物の上に止まった | 無罰の救済(規則16.1) | ❌ 使えない(そのまま打てる場合は打つ) |
| 打てない状況なのでアンプレヤブル | 1罰打で救済(規則19) | ❌ 宣言できない |
禁止されているのは「他の規則による救済(処置として球を動かすこと)」です。エリア内でも動かせる障害物(空き缶、レーキ、他人のティペグ)は無罰で取り除けますし、ルースインペディメント(枯れ葉・小石)も2019年から無罰で除去できます。
杭を抜いていいのはどれか|赤杭・黄杭と白杭の決定的な差
| 杭の種類 | 示すもの | 抜いてよいか | 抜いて球が動いたら |
|---|---|---|---|
| 赤杭・黄杭 | ペナルティエリアの境界 | ⭕ 抜ける(動かせる障害物) | 無罰でリプレース(規則15.2a) |
| 白杭 | OB(境界物) | ❌ 抜けない | 抜いてプレーすると2罰打 |
ゴルフ ペナルティエリアのルールで2罰打になる7つの落とし穴
| # | やりがちな行動 | 該当規則 | 実際の罰・結果 |
|---|---|---|---|
| 1 | 赤杭方向に飛んだが目撃者なし。確実でないのに救済してドロップ | 規則17.1c(本来は紛失球) | 誤所からのプレーで一般の罰2罰打のリスク |
| 2 | 池に入ったのが事実上確実なのに暫定球を打った | 規則18.3 | その球はインプレーにならず、打ってもカウントされない(処置のやり直しが必要) |
| 3 | エリア内の排水口・カジュアルウォーターで無罰ドロップした | 規則17.3 | 無罰救済は存在しない。誤所からのプレー |
| 4 | エリア内でアンプレヤブルを宣言し2クラブレングスにドロップした | 規則17.3(規則19は使えない) | 誤所からのプレー |
| 5 | 後方線上で2019年式に「先に基点を決めて」からドロップした | 2023年規則の手順違い | 線上にドロップし直す(打つ前なら訂正可) |
| 6 | ラテラル救済で池の対岸にドロップした | 2019年に廃止済みのオプション | 誤所からのプレー |
| 7 | 邪魔な白杭を抜いた | 規則8.1(境界物) | 2罰打。※赤杭・黄杭なら抜いてよく、球が動いても無罰でリプレース(規則15.2a) |
前進4打・特設ティとの線引き|ローカルルールと正規処置を混ぜない
- 規則17の救済:ティショットが池に入り1罰打の救済 → 3打目から
- 前進4打:特設ティから → 4打目から
ラウンド前と打った直後のチェックリスト
- [ ] ローカルルールの確認(前進4打・特設ティ・ドロップ区域・E-5の採否)
- [ ] 主要な池が黄か赤かをコースガイドで確認
- [ ] 自分のドライバーの長さ(=1クラブレングス、規則上の上限は約1.22m)を把握
- [ ] 入ったのが事実上確実かを同伴者と口に出して共有(ここが全分岐の起点)
- [ ] 確実でなければその場で暫定球を宣言(確実なら暫定球は打てない)
- [ ] 確実なら「あの杭の間で越えたね」と基点Xを合意し、目印(杭・木・バンカーの角)を決める
- [ ] 基点は球の見えた場所ではなくXになっているか
- [ ] 落下範囲はペナルティエリアの外か(規則17.2の追加1罰打を防ぐ)
- [ ] 後方線上なら線上にドロップ(2023年式)/膝の高さ・真下
一次情報の確認先|規則の更新をどう追うか
- R&A / USGA ゴルフ規則 規則17(ペナルティエリア):https://www.randa.org/en/rog/the-rules-of-golf/rule-17
- R&A プレーヤーズ・ルール・ファインダー:レッド/イエローそれぞれの救済選択肢が公式図解で確認できます
- JGA『ゴルフ規則 2023年1月施行』(日本語全文PDF):https://www.jga.or.jp/jga/html/rules/image/Rules_2023.pdf
- JGA『ゴルフ規則のオフィシャルガイド 2023年1月施行』:用語の定義・委員会のローカルルールひな型を収録
- JGA『2023年ゴルフ規則の追加の詳説』:解釈の更新版。四半期ごと(1月・4月・7月・10月)に更新され、最新は2026年7月1日更新版、次回は2026年10月予定
2026年1月、R&AとUSGAによる年次アップデートが施行され、①球を動かしたことに気づかなかった場合の罰が2打罰から1打罰に軽減、②他プレーヤーのピッチマークにくい込んだ球も無罰救済の対象に、③内部OBはティイングエリアからのストロークのみに適用、④グリーン周りの動かせない障害物の救済対象拡大、⑤破損クラブの修理・交換の緩和、⑥プリファードライの救済エリア縮小——といった変更が入りました(GOLF.com、2026年1月)。ペナルティエリア(規則17)自体の変更ではありませんが、池絡みのホールで同時に発生しうる処置に影響します。PGAツアーは2026年開幕戦から適用しています。適用範囲(規則本体か、ローカルルールひな型か、ツアー独自か)を確認せずに中継で見た処置を持ち込むと、誤処置になります。
スコアへの影響を数字で見る
※同ページにはOB回数・ペナルティ回数の数値も掲載されていますが、同サイトが「実測値ではなく編集部の目安値」と明記しているため、本記事では参照していません。
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